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Day Street

日々が道となり人生となる

人生で一番好きだったらラーメン屋が閉店してしまった。ラーメン屋のおじさんに綴る。

こんにちはカコイです。小学生ぐらいからずっと大好きだった小さなラーメン屋が閉店しました。最近は日本に一時帰国する度に、週2で出前を頼むぐらいの中毒者で、名前を言えばすぐに届けてくれる素敵なお店でした。通常は出前を取るのですが、何回かお店にも行ったことがあります。

鹿児島大学の工学部前の電停にぽつんと建っている小さなラーメン屋さんです。ご夫婦とそのお父さんが切り盛りしているお店でした。店内は古さを感じさせる雰囲気で、壁には大量の漫画本が置いてあります。チェーン店のラーメン屋と違って、のんびりした空気で、座敷に着いてから漫画を読みながらおばちゃんに「チャーシュー麺ひとつお願いします。」と注文します。

メニューは壁に飾ってある手作り感のあるメニューの札です。発券機などはありません。水はセルフじゃなくて、おばちゃんが注いでくれます。漬物も美味しいです。しばらくすると、濃ゆい豚骨とニンニクの香りを漂わせながらラーメンがきます。チャーシュ麺は8枚のチャーシューがラーメンの表面を覆い隠すという、チャーシュー好きにはたまらないメニューです。

麺の硬さは選べません。中太の面で、柔らかめです。この面がスープともやしに会うんです。チャーシューを口に入れてから、麺をすすって、もやしを食べる。スープの豚骨の香りは、しばらく口から消えないほど濃ゆくて美味しいです。小さい頃はスープも全部飲み干していたけど、最近は健康を考えて半分までしか飲みません。もう少し飲みたい、でも健康が…と考えて止める。最後の一杯もそうでした。しっかり飲み干しておけばよかった。

閉店の理由はまだ若い亭主の急死でした。いつも徒歩3分圏内の祖母宅にチャーシュー麺を持ってきてくれるおじさんでした。特別な話はしたことはありません。いつもお釣りのないように700円を渡してラーメンを受け取る。おじさんが、「まいどです」って言うと、「いつもありがとうございます。」と返答するだけ。いつもこの会話だけです。

廃れていたけど、味が好きで食べ続けていたラーメンでした。前回の一時帰国では一時閉店していたので、改装かな?と思っていたら、先日閉店の片付けをしていたそうです。非常に悲しいです。あのラーメンをもう一生食べることができないこと、いつものおじさんが亡くなってしまったこと、一番好きなラーメンだと断言していた店がなくなってしまうこと。

この世は常に変わり続け、時には新しいものに感動し、去ってゆく古き良き物に悲しみを覚えるものだということを再認識しました。おじさんゆっくり休んでくださいね。美味しいラーメンをありがとうございました。