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Day Street

日々が道となり人生となる

母親のどくだみ茶

僕が小学一年生の頃は両親は共働きで、家に帰ったらいつも寂しくないようにテレビを付けてお留守番しているような子供だった。幼い僕には可哀想だと、いつも祖母が家に来たり、僕が祖母の家に遊びに行っていた。

児童クラブという小学校中学年までを面倒見てくれる施設の存在を知るまでは、僕の放課後の居場所は祖母の家と孤独の実家だった。

そんな小学時代から高校までの間、うちの冷蔵庫にはいつも飲み物が冷やしてあった。夏の暑い日には麦茶が冷やしてあったし、時には水道水がそのまま冷やしてある時もあった。ジュース類は一切置いていなかったから、僕は好きなの飲み物はお茶というぐらいだった。

ある日夕食前に冷蔵庫を見ると、飲み物のレパートリーに新人が加わっていた。色は麦茶と一緒だけど、匂いを嗅ぐとちょっと変な匂いがして母親に正体を確かめた。

どくだみ茶よ。健康に良いの」

母親はそれだけを言って、料理に戻った。

夕食の時にいつものようにテーブルの上に載せられるプラスチックのポットには茶色で麦茶のようなものが入っていた。

どくだみ茶」

毒?と思いながら恐る恐る飲むと、独特の香りが子供の頃の僕には刺激的で驚いた。

次の日も、その次の日も、なかなか慣れないどくだみ茶はポットに残ったままで、僕は毎日少しずつ飲んだ。

ポットが空になる頃には飲むのにも抵抗がなくなってきていて、次の日のお茶が麦茶だとすこし物足り無さすら感じた。

いつのまにか、冷蔵庫のお茶がどくだみ茶以外だと母親にどくだみ茶をリクエストするほどになった。

先日、アメリカという飛行機で故郷から合計13時間以上飛行機でかかる場所で、どくだみ茶の存在を思い出した。

一時帰国の間に買おうと思った僕は、母親にどこで買っていたのかを聞いて、山の奥にある温泉の売店まで買いに行った。

アメリカに戻ってきてから早速淹れようと思い説明書を読んだ。

説明書には「水を温めて2リットル当たり大さじ6杯のどくだみを入れて煮詰める。その後十分に室温に戻してから冷蔵庫に入れる。」と書いてあった。

結構手間がかかるんだな…と思いながら水を火にかけて、どくだみを100均で買ったお茶パックに詰めた。

ふと、どくだみ茶の効能が気になってスマホで調べた。

疲労回復、毛細血管強化、高血圧予防、アトピーやアレルギー対策、と沢山の効能が出てきた。

こりゃぁすごいな。。。と思いながら出来立てのどくだみ茶を飲むと、懐かしい実家の台所が薄っすらと脳裏に蘇った。

よく考えれば、仕事があって忙しいのに家事もして、その上健康のことを考えてどくだみ茶を煎じるという作業までやっていたのか…。と母の凄さを思い知った。

アメリカといえばジュースのイメージが非常に強い。僕も一時帰国前までコカ・コーラより砂糖の多いマウンテンデューを愛飲してた。でも今、僕が家で飲む飲み物はどくだみ茶だけになった。小さい頃から何故か好きで癖になっていたそのお茶はジュースに勝っていた。

ポットが小さくて2,3日おきに作らないといけないから結構手間がかかる。けれども、成長期の僕が飲む量を母親ほぼ毎朝こなしていたことに比べれば全然だよな。と思えば苦にならない。

このブログを書く前に煎じ、ポットに入りきらなかった出来立てのどくだみ茶を飲みながら、いろいろと考えてしまった。そんな忙しい月曜日の夜でした。


どくだみ茶の効能まとめ!みたいな記事が溢れている今日此頃だけど、こんな記事も僕はいいと思います。

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