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Day Street

日々が道となり人生となる

初めてCDを発売した時の話をしようと思う。【ブレイブマン】

こんにちは、雨上がりの寒期が残酷なロサンゼルスからお届けします。カコイです。

ここ数日の投稿が、感情的な上今までの中でもかなり拙文を晒してしまいました。まぁでも、読みやすい文章なんてものは国語の成績で5を取ったことのない僕は書くことはできないんですけどね…(´・ω・`)

先日は日本は七草ということで、様々なSNS七草粥などの写真が上がっていましたね。また、故郷鹿児島の成人式も近くなってきました。残念ながら日本に滞在できず僕は参加できないのですが、同期の友人がみんな前撮りを終わらせたりしているのを見て羨ましい限りです。いいなぁ。

今日は成人式が近いということで初めて僕らがCDを作り、売るということを幼いながらした時の話をしようと思います。

もう季節とか細かい色のことは覚えていないんです。でも、その出来事は僕達にとってかけがいのない思い出になっています。

昨日の夜、なかなか寝付けず、鹿児島に一時帰国した時にあった仲間と話していたことを考えていました。

今、僕が、

「おい!!CDを出そう!!!」

と、急に言われたら僕は何を考えるだろう。そう思って目を閉じて考えました。

きっと「何枚出すのか」「何系の曲か」「費用と予算は」「ターゲットは」「黒字になるのか」こんなつまらない話をしているかもしれない。

もし、あの頃の僕らが、リスクを考えて挑戦するという合理的で、なんだかつまらないと感じる知恵を知っていたら、きっと何も行動していなかったんだろう。

あれはもう、5年以上前だろうか。2010年。中学校三年生の秋前ぐらいの時だった。

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「お前プロデューサーな!」

太陽が少しだけ落ちるのが早まって、でもまだ暑さが消えない夏の終わりのような日だった。

急に僕は公園に呼び出されてこう告げられた。「お前はブレイブマンのプロデューサーだ!」と。

言い出したのはバスケが好きなやんちゃな男子だった。

「は?」と僕が答えると、彼は「だから曲を作るんだって!」って自信満々で言いました。

「お前映像編集とかできんだろ!!音楽の編集もできるっしょ!!」

「お前が曲を編集して、俺ら5人が歌ってCDを作るんだ!!」

暇な時に好きで映像編集をいじっていた僕は、なんか面白そう!という単純な考えで参加することを決めた。

今考えれば本当に中学生らしいというか、安易というか。でも、当時の僕達には社会の厳しさのような余計な知識は無かったし、頭のなかには高校受験のために必要な最低限の知識だけしか入ってなかった。だから僕たちは「勢い」に任せて、「どうやったらできるか」を口頭だけで話し合って盛り上がった。そこには難しい計画書も、こじれた人間関係も無かった。

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最初にしたこと。色決め

「勢い」というものは恐ろしい。僕らに絶大なやる気を与えてくれた。

まずは最初に「色決め」をした。

「ブレイブマン」という所謂マンがついているのだから、僕ら一人ひとりにテーマカラーが必要なのは話し合わなくても分かっていた。

個性的という言葉は僕らのためにあるんじゃないかと思うほどのメンバーだった。

オレンジ

バスケ部を引退して軽く太り、力のやりどころが無くなりやんちゃ度がましていた言い出しっぺ

イエロー

同様にバスケ部を引退して、体力の使いみちを探していた小さいのに力の強いやんちゃなやつ

ピンク

三年で転校してきて僕らのクラスが動物園と呼ばれる原因の一つになった身長がデカイやつ

アクア

野球部ながらも頭が良くクラスでも常にトップで忙しいのに、この遊びにも参加できるマルチ君

パープル

同じく野球部で格好良く、誰にでも優しく、まるで満点のような存在のイケメン

そして、なぜか僕にも「ブラック」という謎の配色がされた。僕はただの弓道部を引退して暇なくせに勉強できないやつだった。

今考えると、すでにツッコミどころが満載なのが逆に面白い。勿論中学生の頃の発想だから、なるべく他と違う色を付けてみたかった。土曜日の朝の戦隊物のような単純な配色は一回も選択肢に出なかった。

色のバランスなんて突っ込むべきでは無い。

一行も計画も無いまま僕らのテーマカラーが決まり、僕らの一冊のノートにはそれぞれのが書き殴られた。

音楽を選ぶ

CDを出すにもいろいろある。音楽を自分たちで作って、演奏して届けるバンドや、作曲家が作ってそれを歌うアイドル、プロのミュージシャンが演奏してい曲。でも、まだ中学生で音楽といえばカラオケに行ってGREEEENを歌うような僕らにはハードルが高すぎた。もちろん誰一人音楽を奏でることは出来なかった、しいて言えば僕が妹から教えてもらった「ネコ踏んじゃった」を鳴らすことだけだった。

そうなると僕らには歌うことしか道がなかった。それでもアカペラのテレビ番組のようなアカペラは出来なかったから、無料BGMに自分達で歌詞を重ねることにした。

イケメンのパープルの家に集まった僕らは彼の家のノートパソコンでBGMを漁った。

直感でコレだ!!!と思うBGMを見つけた。まるでネットのフリーゲームで流れていそうなBGMだった。POPといえばPOPだった。

歌詞の書き方なんて知らない

曲が決まったから歌詞を書くことになった。僕は音楽を編集する立場として、音楽を何回も聞いて編集のポイントを探りながら仲間たちが歌詞を書くのを見ていた。

歌詞はどうやって書くんだろう…と思っていた僕の考えとは真逆に彼らはノートに書き殴られたテーマカラーの下に凄いスピードで歌詞を書いていった。

出来上がった歌詞を見るとニヤニヤが止まらなかった。歌詞の殆どは自己紹介をROCK調というか中二病風というか、とりあえず面白かった。インパクトしか無かった。でも、その無茶苦茶なインパクトしか無い歌詞が最高だった。

とりあえず歌った

曲も決まり、歌詞も決まった。僕も独学で録音環境を作った。マイクなんて物は持っていなかったから、ノートパソコンのマイクで行った。そう、音質が最悪なやつだ。

笑いを堪えることが不可能な歌詞と、無駄にテンポの良いBGMは最高だった。途中で歌ってる本人が笑ってしまい、撮り直すことが何十回もあった。でも、それがそれで面白かった。中学生らしい幼稚な言葉と知ったばかりの耳当たりだけは格好良い言葉たちが織りなす歌詞は、あの時の僕らだから生み出せたんだと思う。

編集した

なんとか録音作業が終わって、必要なパーツが揃った。

僕は音源を使い、感覚だけで音を調節したり間を作った。ネットで調べたり、本を見たりすることはしなかった。面倒という理由もあったし、自分で手探りで調整するのが阿呆みたいに楽しかった。

出来上がった音源をみんなで聞くと笑いが止まらなかった。今でも爆笑できるが、当時はそれ以上に笑いが止まらないと同時にすごく満足だった。

この曲は贅沢に間奏まであった。

テンションが有り余っている仲間たちは「静かに」という僕の小声も届かず、中学生らしい阿呆な声を出して騒いでいた。

だから、それも編集せずにそのまま使った。おかげで間奏には僕の「静かに」ってささやきとデカイ変態「ピンク」の喘ぎ超えが入っている。黒歴史でしか無い。

CD化する。

とうとう僕らはここまで来た。

音源が保存されたSDカードを大切にカバンに放り込み、僕は自宅へ戻った。

ここからは僕の仕事だった。

家のパソコンを独占して、どうやって音楽をCDに焼くかを学んだ。

近くの家電製品屋に行き、CD-ROMを30枚とCDケースを買った。いつもは父親が買ってくるのと同じという理由だけでCD-ROMを選んだ。正解だった。

iTunesに音源を取り込んでCDに焼いた。アーティスト名のところにはカタカナじゃなくて、Brave Manって打ち込んだ。曲名はトラック1のままだった。

おかげで僕たちはiPodの中では立派にアーティスト欄に表示された。

ジャケットも作らないと!と思っていた僕は好きだったflumpoolのCDジャケットを凝視して、作りを学んだ。厚紙を用意するお金はCDを買ったから無いし、印刷する技術もない。一回やる気が無くなった。でも、CDを完成させるという目的を達成するために、ペイントで黒の背景にそれぞれのテーマカラーの文字で「ブレイブマン」と書いてそれを印刷した。

音源を焼き終わったCDを新品のケースに入れて、印刷仕立てで暖かいペラペラのジャケットを中にスライドさせて僕らのCDは完成した。

完全に勢いが僕の背中を押していた。

クラスで発売予告をする。

僕たちはクラスの黒板に入荷情報を書いた。

汚い男子中学生らしい字で

「ブレイブマン ◯月◯日 ニューシングル発売」

もう、この文章をタイプしていて笑いが止まらない。

だけども、当時の僕たちはそれがすごく誇らしかった。みんなも笑って、買う!と言ってくれた。

値段は覚えていない。たしか100円から200円ぐらいだったと思う。

待ちに待った発売

発売日がとうとう来た。

言い出したあの日から、ついに目標が叶う日が来た。

2時間目のチョットだけ長い休み時間。担任が教室から出ていった隙をついて僕たちは発売開始を宣言した。

用意した在庫は20枚。売る対象はクラスは30人ちょっとだった。

まずは男子に買わせた。いや、男子が買ってくれた。「お前らまじか!」という爆笑しながら買っていった。次に女子にも売った。弓道部の同期にも買ってもらったし、クラスのボス的存在にも買ってもらった。ココらへんはかなり曖昧なのが悲しい。そして…

--完売した。

僕たちは完売した達成感よりも、目標を最後までやりきった達成感で興奮が止まらなかった。

この体験は5年以上経って、大学生や社会人になった今でも染み染みと感慨深くなりつつ、爆笑して思い出せる貴重な思い出になった。

売れたお金は買ったCDとケースの文を差し引いたら50円の利益だった。

僕らは何も怖くなかった。

今、僕が、

「おい!!CDを出そう!!!」

と、急に言われたら僕は何を考えるだろう。そう思って目を閉じて考えた。

きっと「何枚出すのか」「何系の曲か」「費用と予算は」「ターゲットは」「黒字になるのか」こんなつまらない話をしているかもしれない。

でも、昔の僕たちは違った。

未知の世界だけど、なぜか考えるとワクワクしてくる、そんな感情と勢いだけがあった。僕らは何も怖くなかった。ただ挑戦していた。

ブレイブマンという名前は英語にするとBRAVE MAN。意味は「勇敢な男」だ。

勢いと挑戦(あとがき)

僕たちは大人に近くなってゆく中で、いろいろなことを学んでいる。

計画の建て方。リスクの管理。効率のよい販売。コスト重視の生産方法。文章の書き方。表現の仕方。チームの管理の仕方。リーダーの理想像。物事の考え方。哲学。政治理論。経済の仕組み。外交の仕組み。

現実社会という闇が深い世界を生きていくためにいろいろなことを学んでいる。

そして、気づいたら僕らにはあの頃のような「勢い」がいつの間にか無くなっていた。

「何かをしよう」と思いつけば、リスクや生産計画、利益の予測など冷えきった現実性の話を淡々と考える。そして多くの場合はボツになる。

たとえそれが僕らにとって画期的で魅力的なプロジェクトだとしても、能力不足や計画が建てられないという言い訳のような現実思考で目を背けてしまう。

僕らがこれまで勉強してきた意味は、本当はこれらの発想を現実世界に実現して送り出すための手段を手に入れるはずだった。

仕事の中でも学校の中でもそれを学んでいる。だけど、僕らのスキルや選択肢は広がっているはずなのに、なぜかそれが使えない。余計な周りからの目線と、プライドをかたくなに抱えて生きている。僕らは挑戦するってことをすこしずつ忘れた。

大人になっていく僕たちは一体どうやって日々を過ごすべきなんだろう。

社会という深い闇の中で、見た目は重いアルミホイルの鎧を必死に身にまといながら生きるべきなのだろうか。それとも鎧をすてて自分に挑戦していくべきなのだろうか。

どちらにせよ、僕らには「勢い」が足りない。もしかしたら、僕らは可能性の海で浮かばず沈んでいるのかもしれないと思った。


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